プレタポルテ(読み)ぷれたぽるて(英語表記)prêt-à-porter フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレタポルテ」の意味・わかりやすい解説

プレタポルテ
ぷれたぽるて
prêt-à-porter フランス語

「すぐに着られる」の意で、既製服のこと。第二次世界大戦後、既製服産業の急速な発展により、それまで安物代名詞であったコンフェクションconfection(既製服)の語にかわって、高級なイメージをもった既製服の意で、「プレタポルテ」が1945年にパリ新語として登場した(英語のレディ・ツ・ウエアready-to-wearにヒントを得たといわれる)。プレタポルテは、1960年代の世界的なファッションの大衆化の波で、少数の人々を対象とするオートクチュールにかわって、目覚ましい発展をみせた。現在年2回開催されるファッション・ショーと展示会は、世界のファッションを牽引(けんいん)するものの一つとして注目されている。日本では、フランスの著名デザイナーの輸入高級既製服という、初期のイメージで使われたこともあったが、プレタポルテは既製服を意味することばとして、世界の共通語となっている。

深井晃子

『深井晃子著『パリ・コレクション』(1994・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレタポルテ」の意味・わかりやすい解説

プレタポルテ
prêt à porter

本来は,既製服の意のフランス語であるが,一般には既製服のなかでも比較的品質がすぐれ,高価なものをさすため,日本では「高級既製服」と訳す。オートクチュールのオリジナルのデザインを大量生産向けに改作し,自家工場や,その独占権を買った既製服メーカーで生産したもの。パリ,ロンドンニューヨークなどの店が中心となり,シーズンごとに新作の展示会を催しているが,価格,量とも普及しやすいため,流行の動きに与える影響力が大きい。特に,1970年代以降のファッション界におけるオートクチュールの影響力の低下とともに,プレタポルテの影響力は急速に高まってきた。

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