日本大百科全書(ニッポニカ) 「リストーリ」の意味・わかりやすい解説
リストーリ
りすとーり
Adelaide Ristori
(1822―1906)
イタリアの女優。北イタリア、フリウリ地方の小村に生まれ、俳優の両親のもとに幼時より舞台に立つ。15歳でサルデーニャ王立劇団に加えられ、数年のうちに主演女優として名をなした。とくに『ロメオとジュリエット』やアルフィエーリの『アンティゴネ』、シラーの『マリーア・ストゥアルト』、ラシーヌの『フェードル』など多くの悲劇をはじめ、ゴルドーニの『宿屋の女主人』などにも威信のある優れた力量を発揮した。1855年にはパリで大デュマやゴーチエらをはじめとする幅広い賞賛を博した。その後自ら劇団を組織し、三十余年にわたって欧米各国に巡演を続けて世界的な名声をうたわれた。
[赤沢 寛]