ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リチャード2世」の意味・わかりやすい解説
リチャード2世
リチャードにせい
Richard II
[没]1400.2. ヨークシャー,ポンティフラクト城
イギリス,プランタジネット朝最後のイングランド王 (在位 1377~99) 。エドワード3世の長男エドワード (黒太子) の子。父が早世したため,祖父の王位を継ぎ,神聖ローマ皇帝カルル4世の長女アンと結婚 (82) 。未成年時代は叔父のランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの後見を受けたが,W.タイラーの一揆 (81) の際は,みずから反乱の鎮定に努め,成年に達すると親政を宣言 (89.5.3.) 。アイルランド遠征 (94~95) やフランスとの休戦 (96) で威信を高め,フランス王女イザベルと再婚,1397年頃までに後見有力者を次第に駆逐し,専断の傾向をたどった。叔父ゴーントの死 (99) 後,ランカスター家の嗣子ヘンリー・ボリングブルック (のちのヘンリー4世 ) の資産を没収したため,フランスに追放されていたボリングブルックがイングランドに侵入,リチャードはアイルランド遠征から急ぎ帰国したが,すでに立場回復の見込みはなく,降伏 (99) ,譲位した。その後ポンティフラクト城に送られ,原因不明の死をとげた。
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