ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョン・オブ・ゴーント」の意味・わかりやすい解説
ジョン・オブ・ゴーント
John of Gaunt, Duke of Lancaster
[没]1399.2.3. ロンドン
イングランド王エドワード3世の第4子。 1359年ランカスター公ヘンリーの姪ブランチと結婚し,広大なランカスター公の遺領を手に入れ,62年ランカスター公となった。 69年春百年戦争が再開されるとイングランド軍を指揮,また国政の実権を握った。 69年秋,公妃ブランチが没したので,72年カスティリア王ペドロ1世 (残虐王) の娘コンスタンスと再婚,カスティリア王位請求権を獲得した。 86年カスティリア王フアン1世を攻めたが効果なく,フアンの子 (のちのエンリケ3世) と自分の娘を結婚させ,その間の子にカスティリア王位継承権を譲る条件で自分の王位請求権を放棄。 89年リチャード2世からアキテーヌ公に封じられ,90年フランスと和したがアキテーヌの統治に失敗した。ジョンの子ヘンリーは,99年リチャード2世を攻撃して退位させ議会の承認で即位してヘンリー4世となりランカスター朝を開いた。
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