日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウキュウアイ」の意味・わかりやすい解説
リュウキュウアイ
りゅうきゅうあい / 琉球藍
[学] Strobilanthes cusia O.Kuntze
キツネノマゴ科(APG分類:キツネノマゴ科)の低木。高さ約1メートル、葉は卵形で先がとがり、やや多肉質。夏に穂状花序をつけ、長さ2~3センチメートル、淡紫色の唇形花を開く。半陰地でよく育つ。九州南部、沖縄、台湾、インドシナからインドにかけて分布する。夏に枝葉を刈り取り、40℃ほどの湯に浸(つ)けて色素を抽出し、さらに酸化させ、沈殿した糊(のり)状の青藍(あおあい)を圧搾乾燥させて染料の藍靛(あいてん)をとる。染料成分はインジゴindigoで、沖縄ではこの染料で芭蕉布(ばしょうふ)などを染めたが、最近はあまり利用されない。
なお、本種のほかに木本性の藍色染料植物であるマメ科のコマツナギ属Indigoferaの数種を総称し、キアイ(木藍)の名でよぶこともある。
[星川清親 2021年10月20日]