日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルウ」の意味・わかりやすい解説
ルウ
るう
roux フランス語
小麦粉をバターで炒(いた)めたもので、ソースやスープの濃度をつけるつなぎ(リエゾン)に用いられる。ルウは仕上がりの色により、白色ルウ(ルウ・ブランroux blanc)、淡黄色ルウ(ルウ・ブロンroux blond)、褐色ルウ(ルウ・ブルンroux brun)の3種に分けられる。バターと小麦粉の割合は、重量でバター1に対して小麦粉は1~1.2までが標準である。バターには塩分や水分などが含まれており、そのままでは小麦粉が完全に炒まりにくいので、湯煎(ゆせん)にしてその上澄みを用いるほうがよい。しかし、一般にはそのままでも差し支えない。鍋(なべ)は、フライパンでは色がつきやすいので、厚手の鍋が望ましい。作り方は、鍋にバターを入れて溶かし、ふるった小麦粉を加え、木しゃもじで絶えず混ぜながら炒める。白色ルウの場合は、とろ火で、小麦粉もバターも焦がさないように炒める。淡黄色ルウは、白色ルウと作り方は同じであるが、色をつけるために、白色ルウのできあがるすこし前に火をすこし強め、淡黄色にする。褐色ルウは、初めは弱火で、徐々に火を強くして褐色に色づくまで炒める。小麦粉とバターは、炒め始めは粘っているが、しだいに小麦粉の粘りがとれてさくさくしてくる。また粉臭みも消えて香ばしくなる。炒める時間のおおよその目安は10~15分程度である。炒め方が足りないと、水分を加えたときに粘りが出て粉臭さも残る。
白色ルウはベシャメルソース(ホワイトソース)やポタージュなどに、淡黄色ルウはトマトソース、褐色ルウはカレーソースやドミグラスソースなどに用いられる。カレールウやハヤシルウなど、カレーライスやハヤシライスをつくるためのインスタントのルウも市販されている。
[河野友美]