日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポタージュ」の意味・わかりやすい解説
ポタージュ
ぽたーじゅ
potage フランス語
フランス語ではスープを意味する。日本では濃度のあるスープをさしていう。食事の初めにとる流動食で、まろやかな風味で胃に快い刺激を与え、胃液の分泌を促し食欲をおこさせる。だし汁(ブイヨン)に主材料となる肉、魚、野菜などを入れて煮上げる。漉(こ)して調味した状態や濃度によって、(1)澄んだポタージュpotage clair(コンソメ、ブロース、ポトフなど)、(2)濃いポタージュpotage lié(ビスクスープ、クリームスープ、ブルテスープなど)、(3)特殊なポタージュpotage spécial(オニオングラタン〈フランス〉、チャウダー〈アメリカ〉、ボルシチ〈ロシア〉、ミネストローネ〈イタリア〉など)に分けられる。ポタージュの材料は、臭みや脂肪の少ない魚肉類、貝・甲殻類、根菜、豆、いも、クリ、カボチャなどあらゆる野菜類を単独に、または組み合わせて用いる。ポタージュの濃度は、デンプン、小麦粉、バター、卵黄、クリームの量による。ポタージュに入れるクルトンなどの浮き身は、舌ざわりに変化を与え、味を引き立たせる効果がある。
[小林文子]