フランス北部,セーヌ・エ・マルヌ県の町。人口1万8753(1982)。パリの南東約65km,セーヌ川左岸に広がる広大な森の東端に位置する。地名は〈美しい泉〉の意。フォンテンブロー宮殿はフィリップ・オーギュストと聖王ルイが営んだ館をフランソア1世が改築し完成させたルネサンス様式の名城館で,その後アンリ2世,4世,ルイ13世,14世,15世,ナポレオン1世,ルイ・フィリップ王,ナポレオン3世らが拡大・改修工事を行った。正面中央の馬蹄形の階段は,1814年4月20日の皇帝ナポレオン1世の決別の舞台として名高い。町には国立乗馬学校,軍の総合体育学校,ヨーロッパ高等経営学院(INSEAD)などがある。フォンテンブローの森は広葉樹,針葉樹が交ざりあって繁茂する1万6709haの国有林で,周辺の国・公有林を合わせ2万5000haの大森林地帯を形成している。1350種の樹木,460種の蘚苔類,2700種のキノコ類,675種の地衣類,500種の藻類を含む5685種の植物を擁する植生の一大宝庫で,動物も哺乳類57種,鳥類195種,昆虫5600種など合計6600種が生息するといわれる。森林内に点在する岩山は絶好の登山訓練場となっている。
執筆者:稲生 永
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フランス中北部、セーヌ・エ・マルヌ県の都市。パリ南東65キロメートル、フォンテンブローの森の中央にある。フォンテーヌブローともいう。人口1万5942(1999)。フランソア1世のため16世紀に建造された城がある。アンリ4世、ルイ13世、ナポレオン1世と3世によって城は拡張され、装飾された。ヨーロッパ取引管理高等研究所、軍部スポーツ学校、国立馬術学校がある。フォンテンブローの森は面積1万6997ヘクタール(隣接する公有林をあわせると2万5000ヘクタール)、王室の狩猟場であった所で、パリの南のセーヌ川左岸に広がる。カシ、ブナ、マツなどが茂り、パリから車で容易に達することができるため、休養地になっている。フランシャール峡谷など美景の峡谷が多い。
[大嶽幸彦]
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