日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルール川」の意味・わかりやすい解説
ルール川
るーるがわ
Ruhr
ドイツ中西部の川で、ライン川の支流。流長235キロメートル。ノルトライン・ウェストファーレン州南東部のザウアーラントという低い山地に源を発し、多くの支流を集めたのち、ルール地方の南縁部を西に流れて、デュースブルクでライン川に合流する。下流部の沿岸では石炭層が地表に露出し、産業革命後いち早く採掘が進んで、ルール工業地帯成立の端緒となったが、19世紀中葉には鉱工業の中心は北方に移った。かつては水運にも用いられたが、いまではルール地方諸都市の上水道源として重要で、上流部にはダムでせき止めた多くの人造湖がつくられて流量が一定に保たれるとともに、水質の保全に意が用いられている。
[浮田典良]