レグール

百科事典マイペディア 「レグール」の意味・わかりやすい解説

レグール

インドのデカン高原の玄武岩に由来する黒色の草原土壌熱帯黒色土壌典型。ふつう1〜2mの暗色,層位分化不明瞭の粘土質土層からなり,粘土鉱物モンモリロナイトを主とするため,乾燥すると収縮して割れ目ができ,いわゆる自然耕耘(こううん)が起こる。有機物含量は意外に低く,黒色の主因細粒の含チタン磁鉄鉱による。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レグール」の意味・わかりやすい解説

レグール
regur

黒綿土 black cotton soilともいう。インドのデカン高原に分布する土壌。チェルノゼム類似性状をもつ。表層は黒色の厚い有機物含有層から成り,自然植生は草原である。腐植含量が少く,母材の玄武岩に由来した鉄鉱物が多い点でチェルノゼムと異なる。草本類,特にワタ生育に適する。

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岩石学辞典 「レグール」の解説

レグール

黒色綿花土(black cotton soil)のインドの名称.インドのデカン高原に広く分布する亜熱帯黒色土の一種で,草原をなす玄武岩の母材上に発達する[木村ほか : 1973].

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世界大百科事典(旧版)内のレグールの言及

【熱帯黒色土壌】より

…熱帯を中心に亜熱帯から暖温帯にまで分布する粘土質で暗色の土壌に対する総称で,いくつかの土壌型が含まれる。インドのレグールregurや黒綿土(こくめんど)black cotton soil,インドネシアのマーガライト土margallitic soil,中央アフリカの熱帯チェルノーゼム,スーダンのバドーブbadob soil,南アフリカのフライvlei soil,北アフリカのティルtir,ポルトガルのバロスbarros,バルカンのスモニッツァsmonitzaまたはスモルニッツァsmolnitza,オーストラリアの黒色土,アメリカのグルムソルgrumsolなど多くの地方名があり,アメリカ合衆国の土壌分類体系《Soil Taxonomy》(1975)ではバーティソル目に含まれている。これらに共通する特徴は,モンモリロナイト質粘土に富み,乾季に乾燥するといちじるしく収縮して大きな亀裂を生じ,雨季に湿ると膨潤して亀裂が閉じることが毎年反復されるので,土塊が摩擦し合って鏡肌とよばれる特有な平滑な面ができ,地表にはギルガイgilgaiとよばれる凹凸のある微地形を生ずることである。…

※「レグール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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