日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーニア火山」の意味・わかりやすい解説
レーニア火山
れーにあかざん
Mount Rainier
アメリカ合衆国ワシントン州の最高峰。標高4392メートル。カスケード山脈北部に位置し、同山脈でも最高峰の安山岩質活火山。美しい成層・円錐(えんすい)火山で、山岳氷河がよく発達している。山腹や山麓(さんろく)はモミ、ツガ、トウヒなどの針葉樹林に覆われ、動物はクロクマ、コヨーテ、オグロジカなどがみられる。一帯は、1899年指定のマウント・レーニア国立公園となっており、四季を通じて来遊者が多い。ビジター・センターはパラダイスにある。日系人が多い海港都市タコマの南東約70キロメートルにそびえ、日系人には「タコマ富士」とよばれている。19世紀後半に数回の噴火が伝えられたがさだかではない。1935年(昭和10)日米親善のしるしとして、この火山と富士山頂の石を日米相互に寄贈しあった。
[諏訪 彰]