ロイコトリエン

化学辞典 第2版 「ロイコトリエン」の解説

ロイコトリエン
ロイコトリエン
leukotriene

略称LT.アラキドン酸から合成される生理活性脂質で,炎症アレルギーの媒介物質となる.気管支平滑筋の収縮作用もあり喘息発作に関与する.主として白血球(leukocyte)で生産され,3個の共役二重結合(triene)を有することにちなむ命名.発見順にA,B,…とし,二重結合の数を下つきで示す(例:LTC4).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ロイコトリエン」の解説

ロイコトリエン

 ロイコトリエンA4(C20H30O3,mw318.46,上)と,ロイコトリエンB4(C20H32O4,mw336.47,下)の構造を示す.

 イコサノイドプロスタグランジン類)の一群の名称で,例えば上図に示した物質.生体膜のリン脂質の中のアラキドン酸から生成し,白血球の遊走に影響するなど諸種の生理活性を示す.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

百科事典マイペディア 「ロイコトリエン」の意味・わかりやすい解説

ロイコトリエン

喘息発作やアナフィラキシー抗原抗体反応が引き金となって起こる激しい過敏反応)を司る物質として発見された一群の生理活性物質。アラキドン酸などの炭素数20の多価不飽和脂肪酸から生合成される点でプロスタグランジンと共通するが,炭素骨格はかなり異なる。さまざまなサブタイプが知られ,多くは気管支や肺末梢気道の収縮活性,白血球活性化などの作用をもつ。心筋梗塞との関連も注目されている。

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