ワイルドライス(その他表記)Zizania aquatica; wild rice

デジタル大辞泉 「ワイルドライス」の意味・読み・例文・類語

ワイルド‐ライス(wild rice)

イネ科マコモ属の植物。北アメリカ北東部の湿地に自生していて、濃褐色の種子インディアン食料にしていた。現在は、料理の付け合わせ用に栽培されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイルドライス」の意味・わかりやすい解説

ワイルドライス
Zizania aquatica; wild rice

イネ科マコモ属の一年草。北アメリカ原産で,南はフロリダテキサスまでの塩水性の湿地,小川の岸,浅い水中などに群落をなして生える。茎は叢生,直立してときには分枝する。高さは約 3m。葉の幅は広く,扁平で軟らかい。円錐花序は直立し,大きい。単性花で花序の下方雄花上方雌花がつく。雄の小穂の枝は横に広く広がり,下垂する。雌の小穂は最初直立し,受精時になると下垂する。雌花穂には長い芒 (のぎ) があり,雄花穂にはこれを欠くか,あるいはきわめて短い。古くはアメリカインディアン食用にしていたが,現在では市場でも売られる。ワイルドライスの名があるがイネ riceとは縁の遠い植物である。

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百科事典マイペディア 「ワイルドライス」の意味・わかりやすい解説

ワイルドライス

アメリカマコモとも。北米湖水の浅いところや低湿地に大群落を作って野生するイネ科の一年草。マコモ一種。草丈は1〜3mになり,秋に茎の先端に穂をつける。穂の上半分は雄花,下半分は雌花。長さ2cmほどの穀粒は紫褐黒色,デンプン質で,完熟すると脱粒しやすい。アメリカ・インディアンは湖に小舟を出してこの穀粒を採集し,蒸したり煮たりして食用としてきた。昔は重要な食糧とされ,野生地の所有者が決まっていたとさえいわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ワイルドライス」の意味・わかりやすい解説

ワイルドライス
wildrice

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世界大百科事典(旧版)内のワイルドライスの言及

【マコモ(菰)】より

… マコモ属Zizaniaは世界中に4種しかなく,このうちの1種マコモが東アジアに,残りの3種は北アメリカ東部に分布している。北アメリカでは古くからインディアンの食糧であり,現在でも感謝祭やクリスマスの七面鳥の詰物に入れたり,スープに入れたりするワイルドライスwildrice(Indian rice)は野生のイネではなく,北アメリカ産の一年生のアメリカマコモZ.aquatica L.やZ.palustris L.の果実で五大湖地方を中心とするアメリカ中西部や近接のカナダでとれる。穀粒が脱粒しやすいので,自生地では舟でこぎ出して,果実を手で払い落として採集する。…

※「ワイルドライス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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