1980年に登録されたポーランドの世界遺産(文化遺産)。ワルシャワは、ヴィスワ川が流れる同国中部にある首都。「北のパリ」と呼ばれた芸術・文化の都で、近世ヨーロッパの美しい景観の町だったが、対ドイツ抵抗戦争でナチス・ドイツによって壊滅的な被害を受け、ことに旧市街の建物は完膚なきまでに破壊された。戦後の国民の努力により、旧市街は18世紀の画家の風景画や戦前に記録された詳細な図面や写真をもとに、17~18世紀の町並みに復元された。当時の面影を取り戻した旧市街広場やザムコビ広場、レンガ建築の聖堂、石畳の街路、旧王宮、邸宅、砦などは、当初、「復元文化財は登録に値しない」という理由で登録が危ぶまれたが、「破壊からの復元および維持への人々の営み」が評価された最初の世界遺産となった。 ◇英名はHistoric Centre of Warsaw