翻訳|astrolabe
アストロラーベともいう。天体の高度を測るために古代から使われた簡単な観測器械の名であったが,現在では経緯度決定に使われる高級な天体観測装置をいう。この装置は恒星が一定高度(角度で45度または60度のことが多い)に達する時刻を測定するもので,3星以上の観測から経緯度を同時に決定できる。この方法は大気差の影響を一定値として近似的に除去できるのが特徴である。観測高度を一定に保つ方式がこの装置の重要な点で,プリズムと水銀面を使用する型式,振子式につり下げた補償鏡とプリズムを組み合わせた型式などがある。プリズムと水銀面を使用して一定の高度だけを観測する方法を考え出したのはC.F.ガウスで,1810年ごろのことといわれる。野外の簡易観測のためには経緯儀に装着して使用するプリズムアストロラーブがあり,より高精度の目的には坪川式アストロラーブなどが使用される。観測所に固定される精密型にはダンジョンのアストロラーブがあり,これは1夜の観測で1/10秒を上回る精度の位置決定ができる。
執筆者:長沢 工
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…アッバース朝の第7代カリフ,マームーン(在位813‐833)のもとで活躍し,バグダードやダマスクスで観測を行った。名前は〈アストロラーブの〉を意味し,天文器具の製作で特に有名であったことを示している。アストロラーブに関する著作が残っており,現存するものではアラビアで最も古いものの一つである。…
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[第2期 1480‐1529]
ポルトガルでは1480年にジョアン2世が即位し,一時中断されていたアフリカ西海岸での活動が再開された。まず航海技術の面について述べると,四分儀の代りにイスラム教徒から学んだアストロラーブが導入され,また簡単な測定用具としてヤコブの杖が使用された。また低緯度地域で太陽の高度から緯度を測定するための赤緯表を含む航海暦が編纂された。…
※「アストロラーブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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