六訂版 家庭医学大全科 「アスピリン過敏症」の解説
アスピリン過敏症
アスピリンかびんしょう
Aspirin allergy
(アレルギー疾患)
どんな病気か
アスピリンはアセチルサリチル酸という解熱鎮痛薬です。アスピリン過敏症とはアスピリンやその他の酸性解熱鎮痛薬を服用することで、気管支喘息(ぜんそく)、鼻炎、じんま疹などの症状が出ることをいいます。アスピリン過敏症は成人に多くみられ、女性は男性の1.5倍といわれています。
原因は何か
非アレルギー性の反応ですが、真のメカニズムは不明です。酸性解熱鎮痛薬に共通してみられるシクロオキシゲナーゼ抑制作用が関係していると考えられています。
症状の現れ方
気管支喘息、鼻炎、じんま疹のすべてを起こす場合と、喘息だけ、あるいはじんま疹だけを起こす場合があります。喘息のある人では激しい発作を起こし、これをアスピリン喘息といいます。
検査と診断
アスピリンの吸入や経口負荷試験により診断します。アレルギー反応ではないので、薬剤アレルギーの血液検査やプリックテストなどの皮膚テストは陰性になります。
病気に気づいたらどうする
アスピリンなどの解熱鎮痛薬を服用しないことです。発熱時など、どうしても薬が必要な時は、酸性解熱鎮痛薬以外の薬剤(アセトアミノフェン、塩基性解熱鎮痛薬など)を医師から処方してもらうとよいでしょう。
なお、色素や防腐剤などの食品添加物でも症状が出ることがあるので、注意を要します(表4)。
相原 道子
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報