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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
「びじょう」とも読み、ポリープの一種で、鼻ポリープともいう。鼻腔(びくう)の粘膜が炎症によって浮腫(ふしゅ)性に腫(は)れ、有茎の腫瘍(しゅよう)状になったものである。1個だけの場合と小さな鼻茸が多数ある場合とがある。症状は鼻閉(鼻づまり)が主で、このための嗅覚(きゅうかく)減退や頭痛がある。鼻茸にはかならず鼻炎が伴っているので、その症状としての鼻漏過多やくしゃみを伴う。原因は不明であるが、アレルギーに関係しているという説が有力である。中鼻道に好発する。ときに表面が鮮紅色で出血しやすいものがあり、出血性鼻茸といい、鼻中隔に多い。孤立性で上顎洞(じょうがくどう)開口部より出て後鼻孔の方向へ拡張する非常に大きいものがあり、後鼻孔ポリープとよばれ、小児に多くみられる。治療は切除によることが多いが、除去後の治療をよく行わないと再発することが多い。
[河村正三]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
鼻茸の発症の原因は単一なものではなく、種々の因子が関与しているものと考えられています。しかし、鼻茸は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、
各病気における鼻茸の合併率を表2に示します。
鼻茸をもつ患者さんで、最も頻度の高い症状が鼻づまりです。鼻づまりが両側にわたって高度な場合は両側性鼻茸、あるいは後鼻孔ポリープも疑うべきです。次いで頻度の高い症状は嗅覚障害、
まず、問診でアレルギー性鼻炎の有無、気管支喘息の合併の有無、アスピリン過敏性の有無をチェックします。診断は、鼻腔ファイバー(内視鏡)による検査が基本です。通常は、中鼻道から鼻茸が発生しているのが観察されます。また、内視鏡を用いて後方や上方にも鼻茸がないかどうかを観察します。非常にみずみずしい、高度に浮腫状の鼻茸は、アレルギーの関与がある症例に多い傾向があります。
また、鼻汁の性状が膿性であるか、粘性であるか、水様性であるかを観察します。さらに、鼻副鼻腔X線やCTなどの画像診断、鼻汁細菌検査、アレルギー検査も行います。これらの検査で、その鼻茸が感染性のものか、あるいはアレルギー性の要素が強いかが推定されます。
鼻茸の治療の目的は、鼻づまりや嗅覚障害といった鼻茸そのものによる症状を改善することです。次いで後鼻漏や鼻漏、頭重感、睡眠呼吸障害などの付随症状も改善します。さらに、下気道の病気を合併している場合は、鼻呼吸を可能にすること、あるいは後鼻漏が軽減することによって呼吸機能の改善が得られます。
全身的薬物療法としては、気管支喘息などの合併がなく、膿性あるいは粘膿性の鼻汁を伴う鼻茸の場合は感染型副鼻腔炎に伴う鼻茸の可能性が高いため、14
保存療法で効果が得られない場合は、手術療法が選択されます。単なる鼻茸切除だけでは高率に再発を起こすため、内視鏡下で鼻内副鼻腔手術を行って病巣を除去します。
鼻茸による種々の症状が、日常生活に与える影響は大きいものがあります。鼻づまりがひどく、以前から
飯野 ゆき子, 太田 康
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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