蕁麻疹(読み)ジンマシン

  • ×蕁麻×疹
  • 蕁麻疹 urticaria

百科事典マイペディアの解説

皮膚にかゆみを感じ,かくと境界の鮮明なミミズ腫れ状に隆起した爪甲(そうこう)大から手掌大までの発疹を生ずる病気。数分から数時間で消退し,後に変化を残さないが,発作性に反復して発する。皮膚を鈍器でこすると潮紅,浮腫を生ずる(皮膚描記症)。多くは数日で治癒(ちゆ)するが,慢性に1ヵ月以上発疹の止まらないものもある。原因は自家感作(かんさ)や,月経障害,妊娠,食品,薬品,昆虫刺傷などによる感作,温熱,寒冷,機械的刺激,光線などに対する異常反応,細菌感染の遠隔反応,胃腸・肝・腎疾患,また内分泌障害の一現象,精神的因子などが考えられる。治療は原因の除去のほか,急性症には副腎皮質ホルモン剤抗ヒスタミン薬の投与,慢性症には,このほか自家血清,造血薬など。
→関連項目アレルギー性疾患アレルギー反応光線過敏症ジフェンヒドラミン小児ストロフルス中毒疹皮膚病

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世界大百科事典 第2版の解説

通常は,1~数時間の経過をたどる,かゆみを伴った境界のはっきりした皮膚の浮腫をいう。浮腫は真皮の上層にみられるが,それは肥満細胞からヒスタミン遊離され,その作用によって血管透過性が増すため血漿が組織内へ流出して生じたものである。この肥満細胞からのヒスタミン遊離はIgE抗体(レアギン)と抗原とによるI型アレルギーによってひき起こされるが,これとは別にヒスタミン遊離物質が直接肥満細胞に作用してもヒスタミンの遊離が生じる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 急に皮膚がかゆくなり、赤いみみずばれのような浮腫が広がり、数分から数時間ぐらいで消える発疹。形や大きさは不定。全身どこにでも発生する。食物・薬品・花粉などによるアレルギー反応、寒冷刺激・機械的刺激などに対する皮膚血管の過敏反応による。かざうるし。
※鱸とおこぜ(1952)〈阿川弘之〉「蛔虫が湧いておる。蕁麻疹(ジンマシン)の徴候もあるようだ。それにお前は風邪気で皮膚病だ」

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世界大百科事典内の蕁麻疹の言及

【発疹】より

…内容物は液体,角質細胞,脂肪などである。(7)蕁麻疹(じんましん)または膨疹urticaria∥wheal 境界のはっきりした浮腫性の扁平に盛り上がる紅色の病変で,かゆみが強い。一過性で30分から1時間以内であとかたもなく消失する。…

【アレルギー】より

…〈変化した反応能力〉〈変作動〉という意味で,ある外来性の物質と接した生体が,この物質に対して,それまでとは変わった反応性を示す場合を指す。たとえば,ペニシリンの注射を受けているうちに,この薬剤に対して過敏となり,ペニシリンの注射によってショック死を起こすような場合(ペニシリンショック)や,魚や卵を食べると蕁麻疹(じんましん)が起こるような場合がこれに一致する。また,こうした外来の物質に対して過敏な状態にすることを感作sensitizationという。…

【痒み】より

…皮膚に原因のあるかゆみは,その上皮層あるいはそれよりも深い真皮層外層部がおかされたときにみられる。湿疹では上皮層がおかされ,蕁麻疹(じんましん)のときには真皮層外層部に異常がある。これらの皮膚病によるかゆみは,いずれもかゆみをおこす発痒物質が作られたために生ずる。…

※「蕁麻疹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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