エジプトのカイロにある世界最古の大学の一つ。創立は970年。正式名称はアル・アズハル大学。もともとシーア派のモスクに起源をもち、現在もイスラム研究の中心的存在としてアラブ世界に君臨している。英仏の支配下にあった18、19世紀に大学の近代化が図られ、1936年には法学、神学、アラビア語学の3学部に再編された。1961年「アズハル大学改組法」により国立大学の一つに組み込まれた。1999年現在、8学部(イスラム神学、イスラム法学、アラブ研究、工学、医学、商学、農学、理学)に加えて、言語翻訳高等研究所、アラブ・イスラム高等研究所、イスラム女子カレッジを擁する大規模な総合大学となっている。教員数約6000人、学生数約15万5000人を数える。エジプトのすべての大学は1961年に設立された高等教育省の管轄下にあるが、この大学のイスラム法学部やイスラム神学部は独自の自治権をもつ。近代的大学に改編されてもなおイスラムの遺産を継承、発展、普及させ、アラブ世界を再興することを目的としている。イスラム圏からの留学生も多い。
[馬越 徹]
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…現在では〈信仰と労働〉をモットーに,女子部も含めて医学部,工学部をはじめ13学部を数える総合大学に変わった。アズハル大学はエジプト人の子弟ばかりでなく,全イスラム世界の子弟の教育を行う使命がある。このために創立以来多くの外国人留学生をかかえ,最近では常時約3000人の外国人留学生が在籍し,その卒業生(アズハリー)はイスラム世界の宗教指導者や裁判官,各地のイスラム大学の教授やアラビア語教師として活躍している。…
… カイロは,エジプトばかりでなくアラブ世界さらにはイスラム世界の一大文化中心である。1000年以上の歴史をもつアズハル大学はスンナ派イスラム教学の最高中心としてイスラム世界全体からつねに数千人の留学生を集めており,カイロ大学(1908設立),カイロ・アメリカ大学(1919設立),アイン・シャムス大学(1950設立)などの諸大学も多くの留学生を集め,またアラブ諸国の大学から小学校に至るまで多くの教員を派遣している。1952年のエジプト革命後,カイロのラジオの国際放送〈アラブの声〉がアラブ諸国全体の民族革命運動推進に果たした役割はきわめて大きい。…
※「アズハル大学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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