アッピアノス(英語表記)Appianos

改訂新版 世界大百科事典 「アッピアノス」の意味・わかりやすい解説

アッピアノス
Appianos

1世紀末ごろアレクサンドリアに生まれた著作家。生没年不詳。ローマ市民権を得てローマに移住,法律家として活躍し,皇帝役人となる。老年になってローマの対外征服を取り扱った歴史書《ローマ史》24巻をギリシア語で著した。各巻は民族別の記述で構成され,一部が現在まで伝わっている。ローマ〈帝国主義〉の賛美者であり,共和政期の諸事象に批判の目を向けるが,第13~17巻の〈内乱記〉は共和政末期の激動時代の貴重な史料である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッピアノス」の意味・わかりやすい解説

アッピアノス
あっぴあのす
Appianos

生没年不詳。古代ローマ、2世紀のギリシア歴史家エジプトのアレクサンドリア出身。出身市の都市官職を務めたのち、ローマ市民権と騎士身分を与えられ、ローマ市に移住した。法廷弁護人として活動し、皇帝マルクス・アウレリウスの師フロントーの推薦で皇帝領属州の管理官の地位を得た。晩年に、戦争中心の24巻の『ローマ史』を著した。そのうち、12巻余りが残っており、共和政末期の内乱の史料として重要である。

島田 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アッピアノス」の意味・わかりやすい解説

アッピアノス
Appiānos

2世紀のギリシアの歴史家。アレクサンドリアの生まれ。その著『ローマ史』 Romaika24巻は,特に前1世紀のローマ内乱の史料として貴重。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android