アディジェ川(英語表記)Adige

改訂新版 世界大百科事典 「アディジェ川」の意味・わかりやすい解説

アディジェ[川]
Adige

イタリア北部の川。イタリア第2の長流全長410km。スイスオーストリアとの国境に近いレジア峠付近に発し,ベノスタの谷を経て南下,トレントベローナの町の中を流れ,ベネト州の平野部をうるおしながらアドリア海に注ぐ。アルプスに源をもつ他の河川同様,流量の季節差が大きい(最大3500m3/s,最小100m3/s)。下流部では天井川になっており,氾濫をおこすこともある。水力発電灌漑に利用されてきた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アディジェ川」の意味・わかりやすい解説

アディジェ川
アディジェがわ
Fiume Adige

ドイツ語ではエッチュ Etsch,古代名アテージス Athesis。イタリア北部を流れる川。全長 411km。流域面積約1万 2200km2標高 1509mのレジア峠の下の2つの湖に源を発する。上流部ではグロレンツァからメラノ付近およびボルツァーノまで急流をなして流下する。ボルツァーノではイサルカ川を合せ,南に向きを変えてベロナでポー平野に入ったのち南東に流れ,キオッジャの南でアドリア海に注ぐ。下流部では平均流量毎秒 240m3と大きいが,季節による変動も大きく,毎秒 50m3から 1500m3に及ぶ。堤防は過去数世紀にわたって高められ,最下流の河口から 80km前後は完全に人工水路である。上流で発電に利用されるほか,下流では灌漑用水にも用いられる。 1951年と 66年に洪水が大きな被害をもたらした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アディジェ川」の意味・わかりやすい解説

アディジェ川
あでぃじぇがわ
Adige

イタリア北部の川。延長は410キロメートルで、同国第2位。流域面積はポー川テベレ川に次いで第3位の約1万2000平方キロメートル。イタリア、オーストリア、スイス3国の境に近いレジア峠付近に端を発する。東流ののち南下し、トレントやベローナを通り、下流部ではポー川と並行し、アドリア海に注ぐ。季節による水量の変化が激しいため、一部を除いて航行には適さないが、水力発電や灌漑(かんがい)には利用されている。

[堺 憲一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android