トレント(読み)とれんと(英語表記)Trento

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トレント」の意味・わかりやすい解説

トレント
とれんと
Trento

イタリア北東部、トレンティーノ・アルト・アディジェ自治州の州都。人口10万4844(2001国勢調査速報値)。ドイツ語名はトリエントTrient。アルプス山中、アディジェ川沿いにあり、オーストリアとの国境ブレンナー峠に通じる交通の要地である。1816年からオーストリア領、第一次世界大戦後イタリア領となった。ブドウ果樹の栽培地帯として知られるほか、近年水力発電を利用して、機械、電子、金属化学などの工業が発達している。ロマネスク・ゴシック風の大聖堂(12~16世紀)、ボン・コンシーリオ城(13~16世紀)などがある。1545~1563年のトレント公会議の開催地として有名である。

[堺 憲一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トレント」の意味・わかりやすい解説

トレント
Trento

ドイツ語ではトリエント Trient,ラテン語ではトリデンツム Tridentum。イタリア北部,トレンティノアルトアディジェ州トレント県の県都。ベロナの北約 70km,アルプスを刻んで南流するアディジェ川左岸にのぞむ。古代からブレンナー峠越えの交通の要地として軍事的に重視され,ローマ植民都市でもあった。東ゴート人による支配ののち,6世紀にはランゴバルド王国の一部となり,その後神聖ローマ帝国の司教公領 (1814年からオーストリア領) の首都であったが,1919年イタリア王国領となった。 1545~63年にはローマ教会史上有名なトレント公会議が開かれた。水力発電所が立地し,印刷,家具,機械,繊維工業が行われ,市内にはローマ時代の劇場跡,ルネサンス様式サンタマリア・マッジョーレ聖堂 (1520~23) ,ブオンコンシリオ宮 (13世紀) などがある。人口 11万6298(2011推計)。

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