アメリカ同時多発テロ事件(読み)アメリカドウジタハツテロジケン

デジタル大辞泉 の解説

アメリカどうじたはつテロ‐じけん【アメリカ同時多発テロ事件】

2001年9月11日のほぼ同時刻に、アラブ系グループに乗っ取られた4機の米国民間航空機のうち2機がニューヨークワールドトレードセンタービル2棟に、1機がアーリントン国防総省本庁舎に突っ込み、爆発炎上した事件。1機はペンシルベニア州墜落。4機とも乗客乗員は全員死亡。ワールドトレードセンタービルは崩壊し、多数の死傷者を出した。その後にセンター敷地内の他のビルも崩壊した。死者総数は推定で約3000人。犯人オサマ=ビンラディン率いるテロ組織アルカイダとされる。九・一一事件。ナインイレブン

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

アメリカ同時多発テロ事件 (アメリカどうじたはつテロじけん)

9・11事件,同時多発テロとも呼ぶ。2001年9月11日午前,2機の旅客機がニューヨークの世界貿易センタービルに,1機の旅客機がワシントンの国防総省に激突し,1機の旅客機がペンシルベニア州の平野に墜落した。いずれもハイジャックされた飛行機で,世界貿易センタービルは2棟とも崩壊した。死者は約3000人を数えた。アメリカ政府はこの事件をオサマー・ビン・ラーディンに率いられたイスラム原理主義のテロ組織,アル・カーイダの犯行と断定し,彼らが潜入しているアフガニスタンを支配しているターリバーン政権に対して,彼らの身柄を引き渡すよう要求し,同時に対テロ総力戦を宣言した。ターリバーンの拒否を受けて01年10月以降アメリカはアフガニスタンへの軍事攻撃を開始し,ターリバーン政権を崩壊させた。NATO加盟国や中央アジア諸国がこの攻撃に参加したほか,日本もアメリカから〈ショー・ザ・フラッグ〉を要求され,インド洋へ自衛艦を派遣した。大規模なテロ攻撃と,それに対する報復としてのアフガニスタン戦争宣戦布告も停戦交渉もない,従来の国と国との間の戦争とは違う枠組みのものとなった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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