アルテミシア(英語表記)Artemisia

改訂新版 世界大百科事典 「アルテミシア」の意味・わかりやすい解説

アルテミシア
Artemisia

小アジアのカリア地方ハリカルナッソスの支配者リュグダミスの娘。前6~前5世紀の人だが生没年は不詳。夫の死後成人に達した息子があったにもかかわらず,自ら独裁権を継承して,コス,ニシュロス,カリュムノスなど近隣島々をも支配した。ペルシア宗主権に服する僭主としてクセルクセス1世(大王)のギリシア遠征(前480)に軍船5隻を率いて従軍し,サラミスの海戦では女性ながら大奮戦し,大王の退却に際しては的確な助言を与えた。なお同名の人物でマウソレウムを建設した女性も有名。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアルテミシアの言及

【エストラゴン】より

…中央アジアからシベリアに至る地域に広く分布するキク科ヨモギ属の多年草。エスカルゴを用いたフランスの料理によく用いられ,サラダやオムレツ,グラタンやソースなどの香辛料にも使用するため,ヨーロッパでは栽培されている。estragonはフランス語由来,英語ではまたタラゴンtarragonともいう。茎は直立し,高さ40~120cm,根茎は長く横にはう。茎葉は線状披針形,長さ3~7cm,幅2~8mmで,無柄。…

【マウソロス】より

…内紛状態にあった当時のペルシア帝国の地方総督として,彼はほとんど独立の地位を持ち,アケメネス朝に反抗をも試み,ギリシア植民市からギリシア本土の政治にも影響を及ぼした。ギリシア文化の保護者として知られ,生前から,また彼の死後は妹であり妻であるアルテミシアArtemisiaにより,首都ハリカルナッソスにギリシア人の芸術家,技術者を集めて壮麗な廟が建てられ,世界の七不思議のひとつとなった。以後ローマ皇帝の廟,大規模な廟一般をマウソレウム(マウソレイオン)と呼ぶのはこれによる。…

※「アルテミシア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android