サラミス(英語表記)Salamis

翻訳|Salamis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラミス」の意味・わかりやすい解説

サラミス
Salamis

キプロス島の古代主要都市。アテネ沖のサラミス島出身の英雄テウクロスがトロイ戦争帰路建設したと伝えられる。島の東岸に位置し,ファマグスタ湾に面した良港があり,フェニキアエジプトキリキアなどとの通商が盛んであった。サラミス王エバゴラスは,前 411年フェニキア人の侵略を押え,ほぼ全島を支配した。その後,エジプトのプトレマイオス朝の支配を経て,前 58年ローマ領となった。この地を使徒パウロやバルナバスが訪れている。 115~117年ローマに対するユダヤ人の反乱および地震で破壊されたが,4世紀頃にローマ皇帝コンスタンチヌス2世が再建,コンスタンチーナと命名した。 647年アラブの侵入後,衰退。ローマ時代の広場や水道の遺跡が現存する。

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