イステミ・カガン(英語表記)Istämi Qaghan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イステミ・カガン」の意味・わかりやすい解説

イステミ・カガン
Istämi Qaghan

[生]?
[没]575/576
突厥カガン。中国の史書では室天蜜 (しつてんみつ) ,瑟帝米 (しっていべい) と音写され,東ローマ史料のシルジブロス Silziboulos,ディザブロス Dizaboulosにあたる。突厥の初代伊利可汗の弟で,中央アジアの征服にあたり,ササン朝と協力してエフタルを滅ぼし (563~567) ,クチャ (亀茲) の北方のユルドゥズ渓谷を本拠として,東ローマと使節を交換し,西面可汗と呼ばれた。その勢力はモンゴル高原のカガンのそれより強大で,中央アジアの突厥が 583年に西突厥として独立する萌芽は,すでに彼のときに現れていた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android