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イディシュ文学 イディシュぶんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イディシュ文学
イディシュぶんがく

離散ユダヤ社会で生れたユダヤ文学の一つ。イディシュ文学の流れは大略次のように分けられる。 (1) 口承文学 (14世紀初頭~15世紀末) ──民間伝承,宗教物語および信仰の抒情詩などから成る。 (2) 民俗文学 (16世紀~17世紀なかば頃) ──民俗的背景をもった物語,宗教を基調にした道徳性をもつ物語,また婦人やあまり学問的教養のない人々を対象に,やさしく書いた聖書文学などが盛んになった。 (3) 詩および叙述体的文学 (17世紀後半~18世紀前半) ──この時代は,カバリスト (神秘主義者) の聖書といわれた『ゾハール』を背景にしたもの,アシュケナジ (東ヨーロッパ系のユダヤ人) の皮肉な,風刺的な叙述や新しい作風をもったロマンス詩などを生んだが,最もすぐれたものとして,手記文学がある。またこの時代,初めてイディシュ語の新聞がアムステルダムで発刊された。 (4) ハシディズム文学の時代 (18世紀後半~19世紀前半) ──この時代は西ヨーロッパでイディシュ文学が衰退し,東ヨーロッパで起ったハシディズム (ユダヤ教の一派) の傾向をもった文学者が多数現れた。また,リトアニアガリシアでハスカラ (啓蒙運動) 時代を迎えるに及んで,イディシュ語で書いた啓蒙文学が起った。 (5) 新しいイディシュ文学の時代 (19世紀後半以降) ──言語,形式,文体,技巧などあらゆる点で現実主義に基づく文学として再生することをメンデレが主張,またハイネの影響を受けた繊細な抒情詩が生れた。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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