インドネシア史(読み)インドネシアし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インドネシア史」の意味・わかりやすい解説

インドネシア史
インドネシアし

インドネシアは古来何回も民族移動の波を受け,種族構成は複雑である。1世紀頃インド文化の影響が及び,シュリービジャヤ王国クディリ朝シンガサリ朝などが相次いで建国され,特に東部ジャワのマジャパイト王国は海外にも進出し,1350年頃最も栄えた。同じ頃イスラムも急速に広まった。また香料を求めるポルトガル,スペインは 17世紀初めにオランダの前に敗退した。ファン・デン・ボスによる強制栽培制度により巨大な利潤をあげ,ジャワからほかの島にも及んだオランダ領東インドの支配体制に抗して,20世紀初めから民族主義運動が起った。 1942~45年の日本軍政下の軍事訓練を活用し,日本降伏直後に独立を宣言してオランダと戦い,49年独立の共和国となった。初代大統領スカルノは政党乱立による政局不安を嫌い,59年以来「指導制民主主義」を唱えて,独裁体制を推進したが,共産党軍部との対立の結果,65年9月のクーデターが起るとついに失脚し,68年にはスハルトが大統領に就任した。 98年 30年間に及んだスハルト政権は,民主化を求める市民の声に屈し崩壊。バハルディン・ユスフ・ハビビ副大統領が後を継いだものの,東ティモールの独立問題への対応が国内外の反感を買ったため,99年アブドゥルラフマン・ワヒドに取って代られ,2001年ワヒドが罷免されるとスカルノの長女メガワティ・スカルノプトリが大統領に就任した。

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