翻訳|inverter
直流(電流)を交流(電流)に変換する装置。一般に使用される電気は、電流、電圧がつねに一定の大きさをもつ直流と、その大きさが正弦波で変化する交流とがある。この直流と交流の2種の電気を交互に変換する場合、交流から直流にする装置を整流器(あるいは順変換器、コンバーター)といい、直流から交流にする装置をインバーター(あるいは逆変換器)という。インバーターは古くは水銀整流器を利用して構成されていたが(これを水銀整流器型という)、1980年ごろから運転、保守、点検などが容易で、信頼度の高いサイリスタ、パワーMOSFET(Power MOSFET。MOSFET=金属酸化膜半導体電界効果トランジスタMetal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタInsulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)、ゲートターンオフサイリスタGate Turn-off Thyristor(GTO)、トライアックなどの電力用半導体素子(パワーデバイス)が利用されている。インバーターは、制御方法、回路構成、使用目的などによって種々の方法があり、定電圧定周波電源、無停電電源、可変周波電源など、多方面に利用されている。
[内田直之]
(1)逆変換回路。交流を直流に変換するもっともふつうに多く使われる電力変換に対し,直流を交流にする回路または装置をいう。小電力用はトランジスターを用いたものが多いが,大電力用はサイリスターを用いて構成する。トランジスターやサイリスターは電子スイッチを構成し,負荷に直流電源の電圧を交互に逆向きに加えたり,電流を交互に逆向きに流したりして交流化する。用途により出力電圧,周波数がほぼ一定のCVCF(constant voltage constant frequencyの略)型と出力電圧や周波数が可変のVVVF(variable voltage variable frequencyの略)型とがある。
(2)反転回路。アナログ回路では入力の-1倍を出力する回路をいい,2値ディジタル回路では1⇄0,高⇄低など入力の状態と異なる状態を出力する回路をいう。前者は演算増幅器を用いて作るが,後者は非常に多くの構成法が知られている。後者の意味では否定回路,NOT回路などとも呼ばれる。
執筆者:曾根 悟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
…電力分野では,交流と直流の間での変換,交流の周波数相互の変換,相数の変換などを行う装置をコンバーターという。狭義には交流→直流の変換をコンバーター,直流→交流の変換をインバーター,ある周波数から他の周波数への変換をサイクロコンバーターと呼んで区別している。これらの変換回路にはサイリスターなどの電力用半導体を用いることが多い。…
…逆変換ともいう。この変換を実現する装置を逆変換装置またはインバーターという。直流から交流を得るのにはスイッチ作用をもつデバイスで直流を断続する。…
…これは直流電動機の整流子およびブラシに保守上の欠点があるので,整流子のない電動機を用いて直流電動機と同様な優れた速度制御特性を得たいという要求から発展した技術である。可変周波数電源としてはインバーター(直流を交流に変換する装置)とサイクロコンバーター(交流を別の周波数の交流に変換する装置)とがあり,インバーターによる場合はその前段に交流電源の電力を直流に変換する整流器が接続される。回転子位置検出器と同期電動機とサイリスター電力変換装置を組み合わせたものをサイリスターモーターまたは無整流子電動機という。…
※「インバーター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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