日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィスピヤンスキ」の意味・わかりやすい解説
ウィスピヤンスキ
うぃすぴやんすき
Stanisław Wyspiański
(1869―1907)
ポーランドの劇作家、画家、詩人。旧都クラクフに生まれる。クラクフ大学に学んだのち、ロマン主義の画家ヤン・マテイコJan Matejko(1838―1893)のもとで美術を学び、さらにパリなどで美術と建築学を修め、当時の西欧モダニズムの影響を受けた。帰国して文学活動に入り、ポーランド・ネオロマン主義と象徴主義の指導的役割を果たした。同国現代演劇の始祖といわれ、世紀の転換期にあって演劇の現代化を図った。20編の戯曲を残し、とくに宴(うたげ)に酔いしれ蜂起(ほうき)に遅れた知識階級を痛烈に風刺した『結婚』(1901)は、高い評価を受けた。自作の演出も行っている。
[山田正明]