ウィルコム

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

ウィルコム

第一種電気通信事業者。1994年設立。2005年にDDIポケットからウィルコムに社名を変更。PHSサービスや定額制のデータ通信サービスAIR-EDGEを提供する。2004年5月に日本で初めてOperaブラウザーを搭載した携帯端末を導入した。また、2006年2月、8xパケット方式で最大408kbpsの通信速度を実現するデータ通信サービス「W-OAM」を開始した。

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知恵蔵の解説

ウィルコム

PHS(簡易型携帯電話)事業を展開する第一種電気通信事業者。1994年、PHSの普及を図るDDI(旧・第二電電)の全額出資の下、(株)DDIポケット企画として創立された。2001年には、定額料金のパケットデータ通信サービスを開始し、契約者数を大きく増やした。05年2月、ウィルコム(WILLCOM)に社名を変更。同年末には、国内初となるスマートフォンW-ZERO3」を発売。Windows Mobileを搭載した本機種は、「PCでもない、ケータイでもない第3のコミュニケーションツール」として人気を集めた。携帯電話の大容量通信化の流れにあって、NTTドコモなど多くの事業者がPHSから撤退する中、ウィルコムはこうして携帯電話との差別化をはかり、07年7月には466万件まで利用者数を増やした。
しかし、イーモバイルをはじめ同業他社が定額データサービスに参入。ナローバンドのウィルコムは優位性を失い、その後3年間で利用者数を約420万件まで減らした。
こうした中、ウィルコムは次世代高速通信サービス「XGP」の開発・普及に努めたが、そのインフラ投資が経営の重い負担になっていった。1千億円を超える有利子負債を抱え、また新規契約も伸びず、金融危機のあおりも受けて資金繰りが悪化。10年2月18日に会社更生法の適用を申請し、「企業再生支援機構」の支援を仰ぐことになった。負債総額は2060億円。企業再生支援機構の企業支援は日本航空の前例があるが、同機構は中小企業の支援・再生のために設立された半ば公的な機構であり、大企業への巨額の融資には疑問の声も上がった(その後「融資枠の設定」のみに変更)。だが、電磁波が微弱なPHSは、医療・福祉の現場で欠かせず、また基地局が多いため災害時でもトラブルが少ない。同機構の支援は、こうしたPHSの公共性を重視したものと見られる。再建計画では、ソフトバンクやアドバンテッジパートナーズ(投資会社)が、将来性に富むXGP部門を引き継ぐことで合意されている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本の企業がわかる事典2014-2015の解説

ウィルコム

正式社名「株式会社ウィルコム」。英文社名「WILLCOM, Inc.」。情報・通信業。平成6年(1994)「株式会社DDIポケット企画」設立。同社を事業会社化し、DDIポケット電話グループ9社が成立。同12年(2000)9社が合併し「DDIポケット株式会社」設立。同17年(2005)現在の社名に変更。同21年(2009)事業再生ADR手続申請。同22年(2010)会社更生手続開始決定。同年、ソフトバンクとスポンサー契約。本社は東京都港区東新橋。電気通信事業会社。PHS音声サービスの提供と端末機販売を行う。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウィルコム
うぃるこむ
WILLCOM

2005年(平成17)から2014年まで存在した日本のPHSによる通信サービス会社、またはPHS通信サービスのブランド名。加入者数が400万人を超えるPHS事業者として国内最大手であったが、利用者のPHS離れや他の携帯電話会社との競争激化により経営が悪化。ソフトバンクを中心とする企業グループ傘下に入って再建を目ざしたが、2014年にウィルコムという法人名、ブランド名ともに消滅した。ソフトバンクとしてPHS通信事業を続けているが、2018年にはPHSの新規契約受付を停止する計画である。
 1994年(平成6)に第二電電(現、KDDI)傘下企業として発足したDDIポケットが前身で、1995年にPHS通信サービスを開始した。2004年にアメリカの投資ファンドのカーライルと京セラグループに買収され、2005年に社名をウィルコム(WILLCOM)に変更した。社名は「Wireless IP Local Loop」と「Communication」を組み合わせた造語。携帯電話各社との競争激化で加入者数が減少したうえ、次世代通信事業への投資負担がかさみ、経営難に陥った。2009年に事業再生ADRを申請したが、事業を再生できず、2010年に会社更生法の適用を申請した。その後、ソフトバンクの支援を受け再建を果たしたが、2014年にソフトバンク傘下のイー・アクセスがウィルコムを吸収合併してワイモバイルに社名を変更した。この結果、ウィルコムは法人名、ブランド名ともに消滅した。なお沖縄地区のみはウィルコム沖縄がPHS事業を続けている。その後、ワイモバイルは2015年4月にソフトバンクモバイルに吸収合併され、さらに同年7月にソフトバンクモバイルがソフトバンクに社名を変更している。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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