日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィーデマン」の意味・わかりやすい解説
ウィーデマン
うぃーでまん
Gustav Heinrich Wiedemann
(1826―1899)
ドイツの物理学者、化学者。幼少年期に父母と死別、祖父母に引き取られた。ベルリン大学に学ぶ。1853年、電流ならびに温度の測定器械の改良に努めて、同一温度ではすべての金属の熱伝導率と電気伝導率の比は等しくなるという、ウィーデマン‐フランツの法則を発見した。これはのちに金属電子論により理論的に跡づけられた。1861~1863年には教科書『ガルバーニ電気学』Die Lehre vom Galvanismusを公刊、電磁気学の発展に貢献した。また溶液の浸透圧、各種の塩の蒸気圧などの物理化学的研究にも多大な成果をあげた。バーゼル、ブラウンシュワイク、カールスルーエの各大学を経て、1871年ライプツィヒ大学教授。科学学術雑誌『Annalen der Physik und Chemie』の編集者でもあった。
[兵藤友博]