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ウスバカゲロウ Myrmeleontidae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウスバカゲロウ
Myrmeleontidae

脈翅目ウスバカゲロウ科に属する昆虫の総称。体は細長くて軟らかい。一見トンボ類に似るが,触角は短く棍棒状である。翅は細長く,後翅は前翅より細い。細かい網状の翅脈があるが,亜前縁室は横脈を欠く。成虫 lace-wingはおもに初夏から秋にかけて出現し,朝と夕方に活動する。昼間も林中などを飛ぶのがみられるが,飛び方は弱々しい。また夜間灯火にも飛来する。幼虫 ant-lionは大きな大顎をもち,他の昆虫類などを捕えて体液を吸収する。幼虫のうち,砂地にすり鉢状の穴を掘りその底にひそんで獲物を待つ習性のものをアリジゴクというが,地表をさまようものや,岩石や苔の上などにすむものもある。成熟幼虫 (2~3年を要する) は地中や樹皮下などで球形の繭をつくる。世界の暖地に多く,約 650種が知られ,日本からも十数種が知られている。ウスバカゲロウ Hagenomyia micansは前翅長 35~45mm,体長 35mm内外の大型種。体は暗褐色で黄色部分があり,肢は 跗節を除き黄色。翅は透明で斑紋はないが,縁紋が白い。幼虫は雨の当らない乾いた土にすむアリジゴクである。日本全土,朝鮮,台湾,中国に分布する。 (→脈翅類 )  

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百科事典マイペディアの解説

ウスバカゲロウ

脈翅(みゃくし)類ウスバカゲロウ科の昆虫の1種。開張80mm内外。日本全土,台湾,朝鮮,中国に分布。幼虫はアリジゴクといい,砂地にすり鉢状の穴を掘り,落下するアリなどを捕らえ体液を吸う。
→関連項目カゲロウ

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世界大百科事典 第2版の解説

ウスバカゲロウ【ant lion fly】

脈翅目ウスバカゲロウ科Myrmeleontidaeに属する昆虫の総称,またはそのうちの1種を指す。この仲間は大型の種を含み,翅の開張5~18cm。触角は短く棍棒状,トンボに似た細い棒状の体と薄く細長い翅を有し,ひらひらと飛ぶ。体色は黒色または暗褐色。おもに熱帯から温帯にかけて分布し,約1200種が知られている。日本では17種が記録され,山地の林,神社の森などだけでなく海岸付近にも生息する。成虫は6月から10月にかけて見られ,寿命は約1ヵ月でもっぱら夜間に活動する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウスバカゲロウ
うすばかげろう / 薄翅蜻蛉

昆虫綱脈翅(みゃくし)目ウスバカゲロウ科の昆虫の総称、およびその1種。この類は、一見トンボに似ているが類縁は遠い。トンボより頭部が小さく、触角も太い。はねもトンボより幅広くて柔らかく、飛び方もひらひらと弱々しく、トンボのように敏捷(びんしょう)でない。また、カゲロウの名をもつが、カゲロウ類とも分類学上遠縁で、形態も異なっている。日本のほか、朝鮮半島、中国、台湾に分布する。[山崎柄根]

形態

和名ウスバカゲロウHagenomyia micansは、体長35ミリメートルで、前ばねは40ミリメートル内外。体は細くて棒状。後頭のくぼみや口器、胸部腹面、黒色の(ふせつ)を除く肢(し)部などは黄色。はねは透明で網状の脈があり、前縁の先端からすこし手前に白点がある。幼虫はアリジゴク(蟻地獄)とよばれ、頭部に大きなあごをもち、腹部は短く、袋状に膨らんでいる。[山崎柄根]

生態

成虫は6~10月に現れ、人家に近い林に多い。夕方から夜にかけ、カなどの小虫を捕食するために飛び、灯火にもやってくる。卵は樹下や軒下などの砂土に産み付けられ、幼虫は日陰の乾いた地表にすり鉢形の穴を掘り、底の砂土中に潜んでいる。穴を通過しようとしてずり落ちたアリなどの小昆虫に、頭で砂土をはじきかけて底へ落とし、大きなあごで挟んで体液を吸う。幼虫は1~2年で成熟し、土中で糸を吐き、土に包まれた直径1センチメートルほどの球形の繭をつくって蛹(さなぎ)になり、まもなく成虫となって樹林へと飛び立つ。[山崎柄根]

近似種

ウスバカゲロウ科Myrmeleonidaeの昆虫は、世界に600種以上が知られ、日本には17種を産する。アリジゴクのすり鉢形の穴をつくるものは、コウスバカゲロウMyrmeleon formicarius、ホシウスバカゲロウGlenuroides japonicusなど一部のものに限られ、オオウスバカゲロウHeoclisis japonica、カスリウスバカゲロウDistoleon nigricansなどは砂中にすむが穴をつくらず、マダラウスバカゲロウDendroleon pupilarisなどは地表にいる。岩石の表面のくぼみに張り付いて、ほかの昆虫を捕食するものもある。[山崎柄根]

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