オガサワラマシコ(英語表記)Carpodacus ferreorostris; Bonin grosbeak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オガサワラマシコ」の意味・わかりやすい解説

オガサワラマシコ
Carpodacus ferreorostris; Bonin grosbeak

スズメ目アトリ科。全長 18~19cm。小笠原諸島のおそらく父島のみの固有種で,1827~28年に採集されたあとに絶滅した。そのときに採集された少なくとも 10羽の標本はヨーロッパやアメリカ合衆国の博物館に所蔵されているが,日本には 1点もない。頭の大きさからみると非常に分厚くて大きなが特徴である。雌雄異色。雄は背面がオリーブ褐色,下面が淡褐色ないしくすんだ白色で,全身に赤みを帯びるが,特に頭部は赤い。雌は赤みを帯びず,全身オリーブ色。雌雄とも背中に不鮮明な縦斑がある。海岸森林に多く生息し,おもに地上で採食していたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オガサワラマシコ」の意味・わかりやすい解説

オガサワラマシコ
おがさわらましこ / 小笠原猿子
Bonin Islands grosbeak
[学] Chaunoproctus ferreorostris

鳥綱スズメ目アトリ科の鳥。絶滅種。小笠原諸島(父島と考えられる)に分布していたが、1828年(文政11)の採集以降はまったく記録がない。全長約18.5センチメートル。海岸の林にすみ、地上に降りて大きな嘴(くちばし)で木の実などを食べていたと考えられる。さえずりは非常に美しかったという。

[竹下信雄]


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世界大百科事典(旧版)内のオガサワラマシコの言及

【マシコ(猿子)】より

…元来はニホンザルの異称であった。マシコと呼ばれる鳥にはハギマシコLeucosticteベニマシコUragus(イラスト),マシコCarpodacus,オガサワラマシコChaunoproctus,ギンザンマシコPinicolaなどの属のものがあり,いずれも独特の赤色の羽色をもっている。これがニホンザルの顔の色に似ているところからマシコの名がでているが,特定の分類群を指すものではない。…

※「オガサワラマシコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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