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オムニチャネル おむにちゃねる

知恵蔵の解説

オムニチャネル

実際に存在する店舗での商品販売と、インターネット上のバーチャル店舗での販売を連携させた、新しい購買スタイルやそれらの取り組みを指す。「オムニ(omni)」には「あらゆる」という意味がある。顧客にとっては、どのチャネル(実店舗ネット通販など)で買ったかを意識せずに、あらゆるチャネルから購入できる仕組みである。また、販売側にとっては、実店舗とネット通販などで売る商品を分けて「どこで何を売るか」を考えるスタイルから、販売経路を顧客に合わせて「どのように購入してもらうか」と顧客中心に考えるスタイルへ変えていく必要がある仕組みとなる。
米国のオムニチャネルを用いた有名な事業例には、老舗(しにせ)百貨店Macy's(メーシーズ)の戦略がある。同百貨店では、実店舗の店員にモバイル機器を配布し、顧客の目の前で、商品詳細やライバル店の価格、在庫の有無、決済などの案内を可能にした。店舗に在庫がなかった場合でも、ネット上に在庫があれば、その場で自宅への配送ができる。2011年にオムニチャネル戦略の開始を発表したMacy'sは、同年にこのケースでの直配商品が700万点以上にも上り、販売機会を逃さないことに成功した。
日本国内でも、オムニチャネルを導入する企業が増えている。書店を営み、グループ会社でもある「丸善」と「ジュンク堂」では、両店のウェブサイト「MARUZEN&JUNKUDOネットストア」にて、欲しいと思った書籍があれば、原則1時間以内に、指定の店舗にて受け取ることができる「取り置き」サービスを展開している。
また、日本コカ・コーラでは、11年12月より、「ハピネスクエスト」というウェブコンテンツを始めている。同コンテンツでは、全国のコカ・コーラ自動販売機に個別の名前が付けられ、それぞれが個性を持ったキャラクターとして登場する。ユーザーは、よく利用する自動販売機などを「お気に入り」として登録し、その中の1台に「マイ自販機」として任意の名前を付けられる。マイ自販機からは、キャンペーン情報やお役立ち情報などが会話形式でユーザーに送信されるため、顧客の購買意欲が刺激される仕組みとなっている。

(横田一輝  ICTディレクター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

パソコンで困ったときに開く本の解説

オムニチャネル

ひとつの企業やグループが、複数の販売形態や店舗形態を連携させて顧客にサービスや商品を提供しようという考え方のことです。ウェブサイトで注文を受けた後、宅配業者が自宅に届けるか店頭で渡すかを選べる、店頭で注文を受けネット通販の倉庫から発送する、などの形態が含まれます。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オムニチャネル
おむにちゃねる
omnichannel

小売業における顧客との接点のあり方の一つ。オムニomniは「あらゆる」「さまざまな」などを意味する接頭語で、チャネルchannelは「販売経路」をさすマーケティング用語である。コンビニエンス・ストアやスーパーマーケット、百貨店、専門店などの実店舗と、従来からある新聞やちらし、電話などを使った通信販売、さらにパソコンやスマートフォン、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じたネット販売など、急速に拡大したあらゆる販売経路を融合し、顧客に利便性の高い消費環境を提供し、収益に結びつける手法をいう。電子商取引(eコマース)が盛んになるまでは、実店舗(リアル)とeコマース(ネット)を対比し、複数の販売経路という意味でマルチチャネルという名称が用いられていた。しかし、インターネットやモバイル端末の普及によりあらゆる場所で商品情報を入手し、購入できるようになったため、集客力や販売力を最大化するオムニチャネルの構築が重要視されている。
 たとえば、国内に約1万7000の実店舗を有するセブン&アイ・ホールディングスでは、実店舗とネットによる販売を組み合わせ、実店舗で取り扱うことは不可能な商品30万アイテムを、実店舗にある端末やカタログ、ネットから注文することにより、24時間以内に指定した実店舗で受け取れるサービスの構築を目ざしている。
 総務省の『平成25年版情報通信白書』でも、販売経路の多様化によりO2O(オーツーオー)という呼称の意味が変化してきたことを取り上げている。当初、O2OはOnline to Offline(ネットから実店舗への誘い込み)を意味することが多かったが、顧客がいつでもインターネットとつながるようになったことで、Offline to Online(リアルからネットへの誘引)の仕組みも融合され、両者の境目がなくなってきたと指摘している。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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