日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オーストラリアンフットボール
おーすとらりあんふっとぼーる
Australian Football
ラグビーをもとにしてつくられ、オーストラリアで独自に発展した球技。フッティーFooty、オージールールズAussie rulesなどの通称があり、日本ではオージーボールAussie ballの名で知られている。クリケット選手がオフシーズンに行うトレーニングとしてオーストラリアで考案され、1896年に今日のプロリーグであるオーストラリアンフットボールリーグ(AFL:Australian Football League)の前身、ビクトリアンフットボールリーグ(VFL:Victorian Football League)が設立された。AFL以外にも州が運営するリーグなどがあり、オーストラリアでもっとも人気のあるスポーツの一つである。
ラグビーボールより一回り小さな楕円(だえん)形のボールを使用する。競技場はクリケットと同じ楕円形で、その大きさは、長直径が135~185メートル、短直径が110~150メートル程度である。フィールドのそれぞれのサイドに4本のゴールポストが設けられており、ボールをキックしてゴールポストのうち中央の2本の間に入れる(ゴール)と6点、外側の2本の間の場合(ビハインド)は1点を獲得する。
1チームは18名で、1クォーター20分間の4クォーター制で対戦する。ボールを投げることは反則で、蹴(け)るか、片手にボールをのせ、もう一方の手でつくったこぶしで打って飛ばす方法(ハンドボール)でパスを回しながら進む。ボールを持って走る場合は、15メートルおきにボールを地面につけるか、一度バウンドさせなければならない。蹴られたボールをバウンドさせずに空中でキャッチすると「マーク」となり、そのまま試合を続けるか、その地点からフリーキックを得るかを選べるため、有利に戦うことができる。ゴール付近でのマークは得点につながる決定的なプレーであり、激しくぶつかり合ってボールを奪い合うことになる。タックルもできるが、膝(ひざ)下と肩から上へのものは反則である。
日本には、1986年(昭和61)に設立され、2004年(平成16)にAFL傘下に入った日本オーストラリアンフットボール協会(AFL Japan)があり、普及活動や国内リーグの運営、日本代表チームの国際大会への派遣などを行っている。
[編集部]