カタンガ(読み)かたんが(英語表記)Katanga

精選版 日本国語大辞典 「カタンガ」の意味・読み・例文・類語

カタンガ

  1. ( Katanga ) アフリカコンゴ民主共和国(旧ザイール)南東部の州。銅、鉄、石炭などの地下資源に富む。一九六〇~六三年、カタンガ共和国として分離したが、再統合された。州都ルブンバシ(旧エリザベートビル)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カタンガ」の意味・わかりやすい解説

カタンガ
かたんが
Katanga

アフリカ中部、コンゴ民主共和国(旧ザイール)南部の州。面積49万6877平方キロメートル、人口412万5000(2003)。1972年にシャバShabaと改称したが1997年ふたたび現名称に戻った。州都はルブンバシ。高度1000メートルを超える高原地帯で、コンゴ(ザイール)川の上流のルアラバ川が南から北へ流れている。気候は雨期乾期の区別が明らかなサバナ気候で、降水量は10月から4月にかけて集中し、年間約1200ミリメートル、年平均気温は約20℃で比較的過ごしやすい。住民はルバ人、ルンダ人などの大部族が居住している。トウモロコシキャッサバなどの農作物を栽培するが、吸血性のツェツェバエがいるためウシ飼育は行わない。

 鉱産資源の豊富な地域で、ザンビア北部にまたがって銅鉱脈が延び、銅、コバルトマンガンなどの資源が開発されている。ルブンバシ、リカシ、コルウェジなどの鉱山都市が発達し、かつてはアンゴラを通って大西洋岸に達するベンゲラ鉄道が輸送の大動脈であった。これらの資源はベルギー資本のユニオン・ミニエール社(現、ユミコア社)により独占的に開発されたが、独立後国有化された。1960年の独立直後、チョンベによるこの地方の分離独立の動きがコンゴ動乱を招き、カタンガ(シャバ)は世界的に注目を浴びた。その後も1977年、1978年、1984年と相次いで、反政府勢力の侵攻事件が起こった。

[赤阪 賢]

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百科事典マイペディア 「カタンガ」の意味・わかりやすい解説

カタンガ[州]【カタンガ】

シャバ[州]

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世界大百科事典(旧版)内のカタンガの言及

【コンゴ動乱】より

…結局ルムンバのコンゴ国民運動の主導下に形式的には単一国家制(したがって中央集権制)をとりながら,実質的には州の権限を大幅に認めた擬似連邦制ともいうべき制度を採用し,集権派のルムンバが首相,分権派のカサブブJoseph Kasavubu(1910‐69)が大統領に就任するという,無理な妥協が目だつなかで独立を達成した。しかし独立から1週間もたたない7月上旬,首都で起こった軍隊の反乱が地方に拡大すると,その機をとらえて分権派のチョンベMoise Tshombe(1919‐69)はカタンガ州(現,シャバ州)の分離独立を宣言し,9月にはカロンジAlbert Kalonjiも南カサイの分離独立を宣言して,本格的な内乱の幕が切って落とされた。 旧宗主国ベルギーは同胞の保護を理由にカタンガ州に軍隊を進駐させ,国連はその撤退を要求して,内乱は国際紛争的様相をも呈し始めた。…

【シャバ[州]】より

…アフリカ中央部,コンゴ民主共和国(旧,ザイール)南東部の州。1972年植民地時代の名カタンガKatangaを現名に改称した。面積49万7000km2,人口560万(1994),州都はルブンバシ(旧,エリザベートビル)。…

【ユニオン・ミニエール[会社]】より

…1906年にベルギー,イギリスの資本提携によって設立されたベルギー領コンゴ(現,コンゴ民主共和国)最大の鉱山会社。正式名称ユニオン・ミニエール・ドゥ・オー・カタンガUnion Minière du Haut‐Katanga。1990年3月までの期限で広大なカタンガ州(現,シャバ州)の鉱業権を独占することが認められ,着実に発展を遂げた。…

※「カタンガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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