サバナ気候(読み)さばなきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サバナ気候」の意味・わかりやすい解説

サバナ気候
さばなきこう

熱帯雨林気候と熱帯季節風気候の周辺にみられ、雨期赤道低圧帯下)と乾期(中緯度高圧帯下)が明瞭(めいりょう)に区分される熱帯気候の一つ。サバンナ気候熱帯草原気候ともいう。気温の年較差は8℃以下で小さく、雨期直前に最高気温となる。赤道無風帯および亜熱帯高気圧帯の影響もあり、年間通して風が弱い。赤道を挟む南北回帰線(南北とも緯度23度26分)の間に分布し、ブラジル高原(カンポが茂る)、オリノコ川流域(リャノ平原)、中央アメリカ西岸、オーストラリア北部、インドシナ半島、デカン高原(レグール土が分布)、コンゴ盆地などがおもなサバナ地域として知られる。乾期は地面がからからになり、樹木は落葉し乾眠し、草は枯れるのに対し、雨期には植物もふたたび活動を開始する。

[福岡義隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サバナ気候」の意味・わかりやすい解説

サバナ気候
サバナきこう
savanna climate

熱帯気候の一つで,年間のうち乾季雨季が明瞭に区別され,気温の年較差が大きい気候。熱帯夏雨気候,熱帯原野気候,熱帯サバナ気候ともいう。ウラジーミル・P.ケッペンの気候区分では最乾月の降水量が 60mm以下の気候である。夏には熱帯収束帯の影響を受け雨季となり,冬には亜熱帯高気圧の影響で乾季となる。イネ科の草を主体とする草原が特徴で,肉牛放牧が行なわれるが,乾季には疎林は落葉し草は枯れて褐色となる。赤道よりやや高緯度側にあたり,南アメリカのギアナ・ブラジル高地,コンゴ流域を除くアフリカの大部分がその代表的な地域である。

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