カルヴァン(その他表記)Jean Calvin (本名 Jean Chauvin)

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カルヴァン」の解説

カルヴァン
Jean Calvin (本名 Jean Chauvin)

1509~64

宗教改革の偉大な指導者。フランスに生まれ,初めは人文主義陣営に属したが,プロテスタントへの弾圧をみて『キリスト教綱要』でこれを弁護,一躍有名になり,スイスのジュネーヴに宗教改革者として迎えられた。一時は反対派に追放され,ストラスブールプロテスタント教会の指導にあたったが,1541年秋ジュネーヴに復帰,敵対分子を排除しつつ55年までに同市の宗教改革を達成した。その信仰ルター福音主義に立ちながらも,信徒の生活の聖化や規律をより重視し,礼拝形式や教会組織において一層反カトリック的,非妥協的である。盛んな宣教活動を通じてノックスをはじめ多くの有力な伝道者を育成,『キリスト教綱要』はいくどかの増補改訂をへて,プロテスタント神学の基本的な体系となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「カルヴァン」の解説

カルヴァン
Jean Calvin

1509〜64
ジュネーヴの宗教改革者
フランスのノワイヨンに生まれ,若いころは人文主義者(ヒューマニスト)であった。福音主義思想のために逃亡生活を強いられ,1536年に新教都市となったばかりのジュネーヴにはいり,ファレルの改革運動に協力した。この年,主著『キリスト教綱要』を出版。1541年から信徒とともにジュネーヴ市政を独占して改革を行い,53年にはセルヴェトゥス異端として火刑に処すなど反対派をきびしく排除した。

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