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火刑 かけいburning at the stake

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

火刑
かけい
burning at the stake

バビロニアや古代イスラエルで行なわれた処刑法の一つ。のちにヨーロッパや北アメリカでも採用された。焚刑(ふんけい),火焙(ひあぶり)ともいう。一部の火刑では,受刑者の苦しみを短くする仕掛けが用意された。火薬入り容器を受刑者に取り付け,熱せられると爆発して受刑者を即座に死にいたらしめたり,受刑者の首に鎖をかけ,首が絞まって死ぬような仕掛けもあった。宗教裁判の時代にはスペインの異端者が火刑を受け,フランスではジャンヌ・ダルクが異端と宣告され 1431年にフランスのルーアンで火刑に処せられた。1555年にはプロテスタントの主教,ヒュー・ラティマー,ニコラス・リドリー,ジョン・フーパーが異端と宣告され,イングランドで火刑に処せられた。また火刑は魔術を働いた罪で有罪とされた女性に対する伝統的な処刑方法だった(→魔女狩り)。イングランドでは,異端者の火刑は 1612年のエドワード・ワイトマンの死をもって終わったが,異端以外の罪での火刑は 18世紀に入っても続いた。日本でも,江戸時代の放火の罪に対する刑罰(→八百屋お七)やキリシタンの弾圧(→元和大殉教)などに火刑が用いられた例がある。

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デジタル大辞泉の解説

か‐けい〔クワ‐〕【火刑】

火あぶりの刑。

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大辞林 第三版の解説

かけい【火刑】

昔の刑罰の一。火あぶりの刑。

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世界大百科事典内の火刑の言及

【刑罰】より

…五刑とは黥(げい)(また墨(ぼく),顔面への入墨),劓(ぎ)(はなきり),刖(げつ)(また剕(ひ),あしきり),宮(きゆう)(男子は去勢,女子は幽閉),大辟(たいへき)(死刑)であり,生命刑と肉刑と称された身体刑(終身の強制労働をともなう)より成る。死刑の種類は,炮烙(ほうらく),焚(ふん)などの火刑をはじめ,烹(ほう)(かまゆで),車裂(また轘(かん)),支解(しかい)(四肢を断つ),腰斬(ようざん),磔(たく)(はりつけ),梟首(きようしゆ)(さらし首)など過酷なものも多い。棄市(きし)とは市場での公開処刑であり,また夷三族など親族まで死刑に処することもあった。…

【火焙】より

…火罪(かざい),火刑,焚刑(ふんけい)ともいい,罪人を焼き殺す刑罰。前近代には世界の各地で行われ,とくにヨーロッパにおいて異端,魔女など宗教上の犯罪に科せられた歴史は名高い。…

【焚刑】より

…人間を柱や杭にくくりつけ,衆人環視のなかで焼き殺す刑罰。火刑,火焙(ひあぶり),火罪とも。中国では《尚書》に〈焚〉の字がみえ,またローマにおけるキリスト教徒迫害の例もあるように,史実であるか否かはともかく,古代国家の規範意識を確認・強化し,見せしめによる同種犯罪の予防に効果的な刑罰として存在していたことはたしかである。…

※「火刑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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