カーマーゼン(英語表記)Carmarthen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーマーゼン」の意味・わかりやすい解説

カーマーゼン
Carmarthen

イギリスウェールズ南西部,カーマーゼンシャーの行政府所在地。旧カーマーゼンシャー県の県都。ウェールズ語では Caerfyrddin。カーディフの西北西約 90km,ブリストル海峡に注ぐタウイ川の河口から約 15km上流の沿岸にある。海岸からウェールズ中部にいたる重要な交通路であったタウイ川の谷の入口を押さえる戦略的拠点としてローマ時代から重視され,中世には多くの勅許状を得てウェールズ最大の都市の一つとなり,タウイ川の河港として繁栄した。1747年鉄製錬所が建設され,のちブリキの製造も行なわれた。現在は農業地帯の中心地で,生乳加工なども行なわれる。ノルマン時代の古城跡,聖ピーター聖堂など中世の建築物のほか,史跡,名所が多い。人口 1万3130(2001)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーマーゼン」の意味・わかりやすい解説

カーマーゼン
かーまーぜん
Carmarthen

イギリス、ウェールズ南西部、カーマーゼンシャー県の県都。人口1万3524(1991)。タウイー川の河口近くに臨み、河港を有する商業町。乳製品集散、加工が行われロンドンへ供給される。市の起源は古く、ローマ時代の砦(とりで)建設時(75ころ)にさかのぼる。当時の遺跡として、5000人を収容する円形劇場跡が近年発見された。1201年にはジョン王から特許状を得ている。中世にはウェールズ王の居住地であったが、今日もその城跡が残っている。

[久保田武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android