ガネーシャ(その他表記)Gaṇeśa

デジタル大辞泉 「ガネーシャ」の意味・読み・例文・類語

ガネーシャ(〈梵〉Gaṇeśa)

ヒンズー教の神。象の頭をもち、福徳知恵をつかさどる。のちに仏教に入り歓喜天かんぎてんとなった。

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改訂新版 世界大百科事典 「ガネーシャ」の意味・わかりやすい解説

ガネーシャ
Gaṇeśa

ヒンドゥー教の神名。ガネーシャは〈(神々の)群(ガナ)の主〉という意味で,ガナパティGaṇapatiとも呼ばれる。シバ神とパールバティーPārvatīの息子とされる。彼は身体は人間であるが象面で,一牙を持つから,エーカダンタEkadanta(一牙を持つ者)と呼ばれる。また,あらゆる障害を取り除く力をそなえているとされ,ビグネーシュバラ(障害を除く主)とも呼ばれる。ネズミ乗物とする。彼は土俗神で,後代にシバ神話と関連づけられた新しい神であるが,古代の動物崇拝theriolatryのなごりと考えられる。彼に関する顕著な神話は大叙事詩《マハーバーラタ》や《ラーマーヤナ》にはみられず,また,今までのところ,5世紀以前につくられたガネーシャ像は発見されておらず,その信仰は6世紀前後に生じたとみなされる。しかし,後代,ガネーシャ信仰は急速に広まり,ヒンドゥー教のガーナパティヤ派の主神とされた。仏教,特に密教でも取り入れられ,大聖歓喜自在天(聖天(しようてん),歓喜天)となって,日本でも今日に至るまで民衆に信仰されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガネーシャ」の意味・わかりやすい解説

ガネーシャ
Gaṇeśa

インド神話の神。「眷属の支配者」の意。ガナパティともいう。シバ神とパールバティー妃の子とも眷属の一人ともされる。インド一般に,知恵学問の神として尊崇され,学問上の書物冒頭にこの神に対する帰敬偈がおかれることが多い。姿は,象面で長鼻,1牙,4臂,長腹をもつ。ヒンドゥー教のガーナパティヤ派の主神と仰がれ,インド周辺諸国に伝えられるほど盛んな信仰を受け,今日でもその信仰は存続している。仏教のなかでも密教の信仰に取入れられ,歓喜天または聖天 (しょうてん) として信仰を受けている。

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百科事典マイペディア 「ガネーシャ」の意味・わかりやすい解説

ガネーシャ

ヒンドゥー教の知恵と学問の神。ガナパティとも。長鼻・象面・四臂(しひ)・人身の姿をとり,シバの子とされる。仏教に摂取されて,大聖歓喜自在天(聖天,歓喜天)となった。

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