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キャバレー・ボルテール きゃばれーぼるてーる

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キャバレー・ボルテール
きゃばれーぼるてーる
Cabaret Voltaire

インダストリアル・ミュージックの源流となったイギリスのグループ。チューリヒ・ダダイズムの発祥地からグループ名を拝借し、1974年、イギリスの工業都市シェフィールドで結成された。メンバーであるリチャード・H・カークRichard H. Kirk(ギター、シンセサイザー)、ステファン・マリンダーStephen Mallinder(ベース、ボーカル)、クリス・ワトソンChris Watson(エレクトロニクス)の3人は、リズム・マシンによる無機質なビートを土台に、ダダイズムの技法であるアッサンブラージュ(寄せ集め)やコラージュ(組み合わせ)を音響操作に応用した。ファースト・アルバム『ミックス・アップ』Mix-Up(1979)やセカンド・アルバム『ザ・ボイス・オブ・アメリカ』The Voice of America(1980)で聞くことのできる彼らの初期のサウンドは、実験的なスタイルによりさまざまなノイズやテープ・コラージュがメタリックに結合された音楽で、スロッビング・グリッスルと並んで後にインダストリアル・ミュージックと呼ばれるようになる。
 81年にワトソンが脱退し、よりポップなダンス・ミュージックへと路線が変化していく。80年代の彼らのミニマルなテクノ・サウンドは、後のヨーロッパのクラブ・ミュージックにも大きな影響を与えた。92年に独自のレーベル「Plastex」を設立。メンバーのソロ活動も盛んで、カークはスウィート・エクソシストSweet Exorcistの別名でも活動している。[増田 聡]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のキャバレー・ボルテールの言及

【ダダ】より

… 第1次大戦中,中立国スイスのチューリヒは亡命者のたまり場であった。1916年2月,逃亡兵の演出家バルと恋人の歌手エミー・ヘニングスは同地で,アルザス生れの画家アルプ,ルーマニアの詩人ツァラや画家ヤンコMarcel Janco(1895‐ )とともに〈キャバレー・ボルテールCabaret Voltaire〉を開催した。ベルリンの医者・詩人ヒュルゼンベックも加わり,小舞台と15~16卓だけのこの店で毎夜宣言,歌,騒音音楽,音声詩,同時詩,仮面舞踏などが演じられた。…

※「キャバレー・ボルテール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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