クナッパーツブッシュ

百科事典マイペディア 「クナッパーツブッシュ」の意味・わかりやすい解説

クナッパーツブッシュ

ドイツの指揮者。哲学を学ぶかたわらケルン音楽院で指揮法を学び,早くからR.ワーグナー信奉。1909年―1912年バイロイト音楽祭助手を務め,H.リヒター薫陶を受ける。生地エルバーフェルトライプチヒデッサウなどの歌劇場で指揮者を務めたのち,1922年B.ワルター後任としてミュンヘンバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任。1936年ナチスに追放されてこの地位を失うが1945年に復帰。またウィーン国立歌劇場や,戦後バイロイト音楽祭で活躍した。ワーグナー,ブルックナーの演奏で名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クナッパーツブッシュ」の意味・わかりやすい解説

クナッパーツブッシュ
くなっぱーつぶっしゅ
Hans Knappertsbusch
(1888―1965)

ドイツの指揮者。20世紀前半を代表する大家の一人。エルバーフェルトに生まれ、ボン大学で哲学を、ケルン音楽院で指揮法を修める。バイロイト音楽祭でハンス・リヒターの助手をつとめたのち、ドイツ各地で指揮者としての経験を積み、1922年バイエルン国立歌劇場音楽監督に就任。35年ナチスに追われてその地位を失い、翌36年ウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルハーモニーの指揮者となった。ナチス没落後の45年、バイエルン国立歌劇場に音楽総監督として復帰。51年からはバイロイト音楽祭にも登場し、53年にはバイロイト名誉市民に推された。その活動の場がミュンヘン、ウィーン、バイロイトに限られていたうえ、レパートリーベートーベン、ブルックナー、ブラームス、ワーグナー中心の狭いものであったから、大衆的な人気は得られなかったが、作品の本質に根ざした誠実な表現で一時期を画した。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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