デッサウ(その他表記)Dessau

デジタル大辞泉 「デッサウ」の意味・読み・例文・類語

デッサウ(Dessau)

ドイツ東部ザクセン‐アンハルト州の工業都市。旧東ドイツに属した。1925年、建築家ワルター=グロピウスが創立した総合造形学校バウハウスワイマールより移転、1932年まで置かれた。現在残っている関連建築群が1996年に世界遺産文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「デッサウ」の意味・わかりやすい解説

デッサウ
Dessau

ドイツ中部,ザクセン・アンハルト州の都市。人口9万5000(1991)。エルベ川とムルデMulde川の合流点に位置。機械・車両製造,食品工業があるが,ハレからビターフェルトBitterfeldにかけての化学工業地帯の住宅地として近年急速に発達した。建市は1180年ごろ,1918年までアンハルトAnhalt侯爵領の首都であった。1774年バゼドーがここに人間愛に基づく新しい学校〈フィラントロピンPhilanthropin〉を設立し,ヨーロッパの学校教育に新風をまきおこした。1925年バウハウスがワイマールよりこの地に移され,翌年グロピウス設計の新校舎が造られた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デッサウ」の意味・わかりやすい解説

デッサウ(ドイツ)
でっさう
Dessau

ドイツ中東部、ザクセン・アンハルト州の工業都市。1949~90年は旧東ドイツに属した。ムルデ川がエルベ川に合流する地点左岸にあり、人口8万3200(2000)。機械、車両、暖房器具、食品などの製造業と化学工業が盛んである。1603~1918年にはアンハルト・デッサウ公爵の宮廷都市、45年まではアンハルト州の州都であった。市の北部および東部は公園となっており、湿地林が保存されている。哲学者モゼス・メンデルスゾーン誕生の町。1925~32年にはバウハウス(建築・図形大学)が置かれていた。

[佐々木博]


デッサウ(Paul Dessau)
でっさう
Paul Dessau
(1894―1979)

ドイツの作曲家、指揮者。ベルリンハンブルクで学び、1914年にブレーメンオペレッタの指揮者としてデビュー、その後ドイツ各地のオペラでタクトを振る。20年代に入り本格的に作曲に取り組み、第一交響曲(1927)などを発表。39年ナチスを逃れてアメリカに亡命し、ここで劇作家ブレヒトと知り合い、『肝(きも)っ玉おっ母(かあ)とその子供たち』(1946)、『セチュアンの善人』(1947)など多くの共同作業を行う。48年東ベルリンに帰り、社会主義リアリズムの推進者として、オペラ、カンタータ、ピアノ曲など多くの作品を手がけた。

[細川周平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デッサウ」の意味・わかりやすい解説

デッサウ
Dessau

ドイツ中北部,ザクセンアンハルト州の都市。ハレの北北東約 40km,エルベの支流ムルデ川に臨む。 13世紀に市となり,15世紀末頃からアンハルト伯 (のち公) 家の居地。 1863~1945年にはアンハルト州の州都。 18世紀に建てられた城にはロココ様式の美術館があり,ルーベンス,ティツィアーノ,ファン・ダイクなどの絵を所蔵する。 1925~32年には W.グロピウスバウハウスがここに置かれた。河港をもち,第2次世界大戦前は大規模な航空機工場が立地した。現在は兵器廠,自動車,機械,化学などの工場があるほか,ムルデ川とエルベ川の合流地点には造船工場もある。バウハウスの作品群はワイマールのそれらとともに,1996年世界遺産の文化遺産に登録。人口9万 6754 (1991推計) 。

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百科事典マイペディア 「デッサウ」の意味・わかりやすい解説

デッサウ

ドイツ中部,ザクセン・アンハルト州の工業都市。ムルデ川のエルベ川への合流点近くにあり,水陸交通の要地。19世紀後半から産業が発展。鉄道車両・機械・化学工業が行われる。近世来アンハルト公領の主都。1925年バウハウスがワイマールから移され,1926年にはグロピウス設計の校舎が建てられた。7万8000人(2005)。バウハウスの関連遺産は1996年世界文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のデッサウの言及

【バウハウス】より

…1919年,ドイツのワイマールに設立された美術工芸学校。25年デッサウに移り,33年ベルリンでナチスによって解散させられる。同校における教育・造形活動は,近代デザイン,建築に重要な影響をあたえた。…

※「デッサウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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