クリントン(読み)くりんとん(英語表記)William Clinton

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クリントン(William Clinton)
くりんとん
William Clinton
(1946― )

アメリカ合衆国の第42代大統領。第二次世界大戦後生まれの初めての大統領でもある。アーカンソー州ホープ出身。ジョージタウン、オックスフォード両大学を経て、エール大学で法学博士号を得る。弁護士。同州司法長官。1978年に州知事としては史上最年少の32歳で初当選以来、同州知事を通算5期務める。1992年の大統領選挙で「変革」と「アメリカ経済の再生」を掲げ、現職の大統領であったブッシュと独立系の実業家ペローを破って、12年ぶりに民主党による政権奪還を実現した。
 1期目のクリントン政権は、国民皆保険を目ざした健康保険制度の改革や、政治改革のための選挙資金制度の改革が挫折(ざせつ)。大統領夫妻が州知事時代に関係した金融機関に絡む「ホワイトウォーター疑惑」も表面化し、1994年の中間選挙は、上下両院の過半数を共和党に奪われて大敗した。しかし、1996年の大統領選挙では、共和党の政策を取り込むなど中道色をいっそう強め、共和党のドール候補に圧勝した。第二次世界大戦後2期連続の民主党政権は、1960年代のケネディ、ジョンソン政権以来。アメリカ経済の戦後最長、最大規模の好況に支えられ、財政均衡の実現にこぎつけた。北大西洋条約機構(NATO(ナトー))の拡大や米中関係の改善など、現実的な外交で指導力をみせた。しかし、インドネシアの財閥や中国系の実業家らが絡んだ民主党への献金疑惑、クリントン個人の性的スキャンダルやもみ消し工作の疑惑が次々と明るみに出て、現職大統領としては初の民事訴訟の被告となり、1999年に弾劾裁判を受けたが罷免は免れた。2001年1月、任期満了で退任。夫人のヒラリーは著名な弁護士で、2000年11月、ニューヨーク州の連邦議会上院議員選に民主党から出馬して当選、2006年11月に再選を果たし、2009年から2013年まで国務長官を務め、ベビーブーム世代のクリントン夫妻が、新時代のホワイトハウスを印象づけた。ヒラリーは2016年の大統領選挙では民主党候補者指名を獲得したが、本選で共和党候補のD・J・トランプに敗北した。[村松泰雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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