日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリエール」の意味・わかりやすい解説
グリエール
ぐりえーる
Рейнгольд Морицевич Глиэр/Reyngol'd Moritsevich Glier
(1875―1956)
ソ連の作曲家。ウクライナのキエフ(現、キーウ)に生まれ、モスクワ音楽院でタネーエフSergey Ivanovich Taneyev(1856―1915)、イッポリトフ・イワーノフ、アレンスキーAnton Stepanovich Arensky(1861―1906)に師事。その後キエフ音楽院、モスクワ音楽院で教鞭(きょうべん)をとり、プロコフィエフ、ミャスコフスキー、ハチャトゥリアンなどの優れた弟子を育て、モスクワに没した。彼はロシア国民楽派の伝統から出発したが、革命後はソビエト音楽の発展に一生を捧(ささ)げた。作品はあらゆるジャンルに及んでいるが、とくにバレエ『赤いけし』(1927)は最初のソビエト・バレエの一つとして高く評価されている。
[寺田兼文]