コショウ科(読み)コショウか(その他表記)Piperaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コショウ科」の意味・わかりやすい解説

コショウ科
コショウか
Piperaceae

双子葉植物コショウ目の1科。新旧両大陸の熱帯亜熱帯地域に8属約 3000種が知られる。このうちコショウ亜科 (狭義のコショウ科) は小低木またはつる植物で,葉は単純形で互生し,植物体全体に芳香をもつものが多い。一方のサダソウ亜科 (サダソウ科 Peperomiaceaeとして独立させることがある) は多肉の葉を互生,対生,または輪生する小型草本である。両群とも花はごく小さく,花被はない。おしべは1~10本 (サダソウ亜科ではすべて2本) ,子房は上位で,通常は両性花である。花序は穂状になるものが多い (→穂状花序 ) 。最も重要なコショウ (胡椒)をはじめ,同属 (Piper) 数種が香辛料植物として栽培され,サダソウ亜科には観賞用植物が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コショウ科」の意味・わかりやすい解説

コショウ科
こしょうか
[学] Piperaceae

双子葉植物、離弁花類藤本(とうほん)(つる植物)または多年草。葉は単葉で全縁、芳香がある。花序は穂状で葉と対生または腋生(えきせい)。花は小さく、両性または単性。花被(かひ)はなく、2~10本の雄しべと、2~4またはそれ以上の心皮の合生によると考えられる雌しべとからなる。子房は1室。1個の基生する胚珠(はいしゅ)がある。日本にはフウトウカズラなど2属4種が自生。世界の熱帯、亜熱帯に広く分布し、約3000種が知られる。ドクダミ科近縁と考えられている。APG分類でもコショウ科とされている。

[大森雄治 2018年7月20日]

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