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(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)
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… 第1回会議のテーマとして量子論が取り上げられたことにもみられるように,ソルベー会議は量子論および量子力学の形成と発展に多大の役割を果たした。とくに27年,〈電子と光子〉をテーマに開かれた第5回会議では,N.ボーアとアインシュタインとの間で,物理学理論の本質をめぐって激しい論争が展開されたが,結局,量子力学に対しては,ボーアらによる確率論的な解釈(コペンハーゲン解釈と呼ばれる)が妥当性を有することが承認されるに至った。第2次大戦後も,会議のテーマとして,ミクロな領域を対象とする原子核・素粒子物理学から,マクロな領域を対象とする宇宙物理学に至るまで,会議開催時点で最も先端的な話題が選ばれ討議され,物理学の発展に寄与している。…
…しかし,当のプランクはその後この画期的仮説を古典物理学の枠内で解釈しようとし,アインシュタインの特殊相対性理論の重要性を即座に認めたものの,エネルギー要素の本質的な意味を明らかにした光量子仮説に対しては疑いの目を向けた。また,マッハの実証主義的傾向に対しては実在の存在を認める立場から批判し,量子力学の正当な〈コペンハーゲン解釈〉も決定論の立場から拒否した。 1912年プロイセン科学アカデミー常任理事,13‐14年ベルリン大学学長,30‐37年カイザー・ウィルヘルム協会(のちのマックス・プランク協会)会長職を務めるなど,ドイツ科学の興隆のため中心的存在として活躍した。…
…ついで27年ボーアは,ミクロな世界では粒子性と波動性とが相補って正しい自然の姿を与えるという相補性の考え方を発表し,新しい時空記述の基本的なアイデアを示した。今日〈コペンハーゲン解釈〉として広く承認されているものである。その後,36年原子核反応についての複合核モデルを発表,39年には液滴模型に基づいて核分裂のメカニズムを説明,多くの成果をあげた。…
※「コペンハーゲン解釈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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