翻訳|consort
16世紀末から17世紀にかけてイギリスの宮廷や家庭で盛んに行われた器楽合奏,およびそのための音楽。4~6人で演奏される室内楽であるが,編成はさまざまで,合唱の伴奏をつとめることもあった。コンソートの語源は,声と楽器の単なるアンサンブルであったイタリアの初期コンチェルトにあると考えられるが,17世紀には異種楽器の合奏体をさすか,あるいはそうした合奏のための曲集の標題に見られる。今日では同属楽器(ビオル属など)によるもの(whole consort)と異種楽器(ビオルのほか,バイオリンやリュート,木管など)の混成によるもの(broken consort)という分類が一般的であるが,当時の用語法は一貫しておらずいささか不明瞭である。コンソートはエリザベス朝やジェームズ1世の時代に最盛期を迎えたが,劇場音楽におけるフランス風のオーケストラ様式が台頭してきた世紀末には,しだいにすたれていった。主な曲集の作曲家には,トマス・モーリー(1599),フィリプ・ロセター(1609),ウィリアム・ロース,トマス・シンプソン(1621)らがいる。
執筆者:土田 英三郎
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…イタリアではこの時期になるとガンバの使用は衰え,ほとんど製作されていない。 16~17世紀の音楽生活に,大小のガンバによる合奏(イギリスでは〈コンソートconsort〉といった。ダウランドの舞曲集《七つの涙》など)は重要な役割を演じた。…
…イタリアではこの時期になるとガンバの使用は衰え,ほとんど製作されていない。 16~17世紀の音楽生活に,大小のガンバによる合奏(イギリスでは〈コンソートconsort〉といった。ダウランドの舞曲集《七つの涙》など)は重要な役割を演じた。…
※「コンソート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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